明けない夜はないことを信じて
~SX(sustainability Transformation)に向けて動き出す社会
これまで私たちが経験したことが無い脅威と直面した2020年も、まもなく終わろうとしております。
今年1年、とくしまSDGs未来会議の活動に対し、たくさんのご支援を頂戴し誠にありがとうございました。
とくしまSDGs未来会議は、令和という新しい時代の幕開けとともに徳島から未来を創る力を発信することを目指し、令和元年6月15日に設立されました。コロナ禍にありましても、毎月のモーニングセミナーでは対面、オンライン、オンデマンドと様々な開催方法に挑戦し、FaceBookとともに皆様への情報発信に努めてまいりましたが、まだまだ行き届かないことも多くございました。今後も、皆さまのお声をうかがいながら、活動を充実させて参りたいと考えております。どうぞ変わらぬご支援をよろしくお願い申し上げます。
私たちが毎日何気なく使い、装い、口にする様々なモノたちは、その生産から流通、販売に至るまでに多くの国境を越えて私たちの手元に届きます。今回の新型コロナウイルスの問題は、それらのチェーンの一部分が分断されることにより、その影響はドミノ倒しのように多方面に押し寄せ、社
会的に弱い立場の人々、弱い立場の国々により深刻なダメージを与えることを教えてくれました。
SDGsのゴール12は「つくる責任 つかう責任」として、持続可能な消費と生産のパターンを確保することを掲げています。けれども、これからの社会は「つくる」と「つかう」だけでは足りません。これからは、「つくる責任 つかう責任 そして、つながる責任」が求められると感じております。
消費行動は、本来自分にとってより良い選択と満足をもとめる利己的な行動です。この利己的な行動に、少しだけ「誰かのため、どこかのため、未来のため」という利他の概念を加えることは、人間にしかできない行為です。利他の概念は、人や地域、モノや情報とのつながりを思いやることだとも言えるでしょう。
今年8月経済産業省は、「企業のサステナビリティ」(企業の稼ぐ力の持続性)と「社会のサステナビリティ」(将来的な社会の姿や持続可能性)の両立を図るSX(sustainability Transformationサステナビリティ・トランスフォーメーション)についての提言を行いました元々は企業と投資家の対話の実現と、企業価値の向上を目指した考え方ですが、SDGsの達成には社会のあらゆるスタークホルダーによる『対話』が不可欠であり、これこそが『つながる責任』であることは言うまでもありません。
それぞれの属性、立場、組織、価値観等の違いを個性として尊重し、包摂し、対話を重ねていく
ことが、今私たちに求められているアクションの基盤ではないでしょうか。
明けない夜はありません。春につながらない冬はありません。寒い冬のなかでも、桜は春に向けて力を蓄えています。
2021年のキーワードはSX。対話に裏付けられた持続可能な社会の構築に向けて、今大きな変革が始まろうとしています。新しい年が、皆さまにとって希望にあふれた日々となりますよう、皆さまのご健勝を心からお祈り申し上げます。
令和2年12月29日
とくしまSDGs未来会議 加渡 いづみ
Believing that there will be no dawning night
~Society that begins to move toward SX (sustainability transformation)~
2020, which we faced a threat we have never experienced, is about to end.
Thank you very much for your support for the activities of the Tokushima SDGs Future Conference this year.
The Tokushima SDGs Future Conference was established on June 15, 2019 with the aim of transmitting the power to create the future from Tokushima with the dawn of a new era.
The various things we casually use, dress, and eat every day reach us across many borders from production to distribution and sale. The problem with covid-19 is that by breaking a part of those chains, the effects are flooded in many directions like a domino effect, causing more serious damage to vulnerable people and vulnerable countries.
Goal 12 of the SDGs is to secure sustainable consumption and production patterns as "responsible production and consumption". However, in the future society, " production" and "consumption" are not enough. From now on, I feel that "responsible production, responsible consumption, and responsible connect" will be required.
"Dialogue" by all stark holders in society is indispensable for achieving the SDGs.
Respecting the differences in each attribute, position, organization, values, etc. as individuality, and repeating dialogues are the basis of the actions that are required of us now.
There is no night that doesn't dawn. There is no winter that does not lead to spring. Even in the cold winter, cherry blossoms are building up for spring.
The keyword for 2021 is SX(sustainability transformation). A major transformation is about to begin with the aim of building a sustainable society backed by dialogue.
We wish you all the best and hope that the New Year will be a day full of hope.
December 2020
Tokushima SDGs Future Conference
Izumi Kado
「とくしまSDGs未来会議」 設立趣意書
この度、教育機関や企業関係者、地域社会で活動を展開している民間団体から16名が発起人となり、「とくしまSDGs未来会議」を設立いたしました。
地方における人口減少や少子高齢化には未だ歯止めがかからず、地域コミュニティの希薄化が社会の中で影を落としています。けれども、私たちには、長い歴史の営みの中で受け継いできた愛する故郷と誇りある地域の宝があります。そして、今生きている私たちが胸を張って将来の世代にこの社会を引き継いでいくために、一人一人がSDGsを「自分ごと」として受け止め、一歩前に踏み出すことが求められているのです。
誰かに任せておこう、私一人の力ではどうにもならない、そう思う前にまずSDGsの17ゴールの中で、どれか気になるドアを開いてみませんか。SDGsは、これから私たちが目指す社会への道標ともいえるものです。正解もありません。何よりも、主役は私たち一人ひとりなのです。
私たちの毎日の行動、例えば買い物をすること、食事をすること、電気を使うこと、車に乗ること、これらはすべて「誰か」や「どこか」、そして「未来」とつながっています。それは、まだ会ったことない「誰か」かもしれません。まだ行ったことのない「どこか」かもしれません。もしかしたら、自分では見ることのできない「未来」かもしれません。けれども、SDGsが目指す2030年の私たちの町や世界を想像しながら、今自分にできることを一緒にバックキャスティングして考えてみましょう。
「ハチドリのひとしずく」の物語の最後、森はどのようになったのかは語られていません。そこには、「結論は、これからの行動で変えることができる」というメッセージが込められていると感じています。
このとくしまSDGs未来会議は、SDGsを学び合い語り合うプラットフォームとして、新しい時代の幕開けとともに徳島から未来を変える原動力となってまいります。
Message
Representative of Tokushima SDGs Future Conference Izumi Kado (Professor of Shikoku University, Junior College)
This time, 16 people who are active in educational institutions, companies and local organizations became the founders, and the Tokushima SDGs Future Conference was established.
In local cities, population decline and declining birthrate and aging are not stopping,and community relationships are becoming scarce. But we love and take pride in the treasures of our hometown that have been handed down in our long history. And we are responsible for handing over the treasure to future generations. Before trying to let someone solve the problem you are having, let's open one of the 17 SDG goals.
SDGs are a guide to the future society. There is no right answer. Above all, the leading role is each of us. Imagine the 2030 society that the SDGs are aiming for and think retroactively what you can do now.
In the last scene of “A drop of hummingbird”, we cannot know what happened to the forest.
It contains a message that the conclusion can be changed by the actions from now.The Tokushima SDGs Future Conference aims to become a great force to change the future from Tokushima as a platform to learn and talk freely about SDGs.
高知学園大学・高知学園短期大学学長
近森 憲助